クロード と 一緒 に

発行者: 22.02.2020

暗転が明ければもうそこは、カナダ・モントリオールの裁判官執務室。36時間、事件解決に向けてなんの答えも出ない会話を続けてきた刑事と『彼』の苛立ちに塗れている。 先ほどまで細やかな騒めきを纏った赤レンガ倉庫のホールにいたわたしはその苛立ちの空気の中に突然放りこまれた。 あらすじは確認してきているが、こんな風に初っ端から放りこまれるとは思わず、動揺しながら彼と刑事の会話に耳を傾ける。 とにかく長く複雑かつ、取り調べのため執拗に同じことを繰り返される会話は、1度の観劇では全て捉えきれないし理解が出来ない。でもたぶんそれで良い。. 読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる.

ほら勉強して言葉にしてみろよ、単語から熟語まで勉強して言葉にしてみろよ、出来たら帰って良いよ、あんたがやらなきゃいけない事は言葉で皆に理解させる事だろ、物書きで飯食ってる連中の事は忘れろ、アイツらは キチガイ だ。言いたい事があんのか?言えよ。簡単だろ、僕に何があった?. 全てが終わった後に「あの人を失う事の無い世界」が訪れた事に心底安堵をして帰路につく、けれどその安堵と共に今度は「あの人がいない世界」の存在に気が付いてしまう。 それを望んでいたのは確かに自分だったはずなのに受け入れる事が出来ない、だから蓋をする、見なかった事にする。 でもいくら蓋をしても漏れ出る感情は抑えが利かないもので、とかくイーヴは「誰かに自分があの人をこの世から奪った事」を、そしてそれと共に「あの人と自分は確かに愛し合っていたこと」を認めて欲しくて、解って欲しくて、伝えたくて、だから今回の行動を取った。.

比較対象として私は「 ゴドーを待ちながら 」と「 金閣寺 」をあげている。 「ゴドー」に関してはその感情が自分に向く。 「いつかくるかもしれないゴドーと言う希望」を待っている時間がとてつもなく幸せである、けれどそれがもしかしたら来ないのではないのか?という疑問… つまるところ「今以上の幸せはないどころか今のこの希望にあふれた幸せな時間すら奪われるのでは」という気持ちが芽生えてしまったから彼らは命を絶った。.

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。. 読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる. イーヴは刑事が思っていたように、育ちが憎いだとか気が狂ったとか、クスリをやって飛んでいたとか、そんな理由でクロードを殺したのではない。ただ、これまで愛を知ることなく育ち、これからも愛を知ることのないイーヴが、手に入れたクロードという愛、刹那を永遠にするため、イーヴが選ぶことができた手段だったのだろうと思う。 今まで愛を知らなかったイーヴが、世の中の人間の大多数は愛を知っていることを知らずに、クロードとの愛の交歓の感動を語る姿は、愛おしくも痛々しく、切なさを感じた。 イーヴに学があれば、別な形で先になにか愛を知る経験があれば、ステーキナイフが落ちたのがクロードの側であれば、そんなことを考えずにはいられないほど、切ない愛の物語。.

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Being at home with Claude 〜クロードと一緒に〜

イーヴは刑事が思っていたように、育ちが憎いだとか気が狂ったとか、クスリをやって飛んでいたとか、そんな理由でクロードを殺したのではない。ただ、これまで愛を知ることなく育ち、これからも愛を知ることのないイーヴが、手に入れたクロードという愛、刹那を永遠にするため、イーヴが選ぶことができた手段だったのだろうと思う。 今まで愛を知らなかったイーヴが、世の中の人間の大多数は愛を知っていることを知らずに、クロードとの愛の交歓の感動を語る姿は、愛おしくも痛々しく、切なさを感じた。 イーヴに学があれば、別な形で先になにか愛を知る経験があれば、ステーキナイフが落ちたのがクロードの側であれば、そんなことを考えずにはいられないほど、切ない愛の物語。.

この舞台に関しては私はド頭から「イーヴの感情を理解できない人が理解できない」という意識で見ていて、改めてもう一度見てみてもやっぱりそうだった。 だから正直言うと刑事の方が何を言ってるのか解らな過ぎて「???」となってしまうというか。 だって愛する人を殺すのって最大の愛の感情でしかなくて、それが憎しみだとしても、それは愛情の裏返し。 「自分を見てくれなくなったから」「自分を否定したから」「自分の事を好きじゃなくなったから」。そして「そうなる時が怖いから」というのが答えでしかない。. 読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる. 他の方の感想を見たいけれどまったく見たくなくて、この綺麗な舞台そのものをもう綺麗な思い出として封印してしまいたい、という感情にばかり襲われる。 最早DVDにならない事すらが「そこで終止符を打つ」というとても綺麗な状態なのかもなとも、ふと思う。 聞き返してひっかけになる言葉遊びは特にされてないし、この話はあくまでもイーヴのイーヴによるイーヴの為の主張でしかないから、後々の考察もいらなければ布石を拾う必要もない。 とすると残るべきは劇場で感じた「感情」だけで、DVDという「媒体」として残す必要はハナからないのかなとは思う。.

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  • とにかく観に行ったひとの評判が物凄く良いのと、わたし自身『赤レンガ倉庫を選ぶ、イメージをしっかり持った舞台ってどんなものだろう』とわくわくしながら足を運んだ。 本当はCyanとBlanc、両チームとも観たかったが、いかんせん横浜は遠いためCyanのみの観劇。.
  • それはなんていうか、キツイ仕事をして帰って来た夫を迎える愛しい奥さんとも違うし、ドラマに出てくる優しいお母さんとも違う。あの人はそういうドラマバカにしてたけどね。だからそのキスはそんなやすっちいもんじゃなかった。 あのひとは男で、少年で、それはとてもシンプルで、それはまるで、いきなり故郷に帰って来たみたいだった。.

被害者を殺し、警察へと遺体の場所を連絡し、そしてここに立てこもった『彼』の足取りと行動を尋ねる刑事に、もう何べんも言った! と声を荒げながら何度目かの説明をする『彼』。 そこから長い長い会話劇で、硬く閉じた花弁を時間をかけてめくるように、物語は進んでいく。 『彼』こと殺人を犯した男娼イーヴは、その動機について刑事から執務室で執拗に探られている。 イーヴは、育った環境、生活環境から、あまり学はないようで、でも頭の回転や知能は高い人物のようだった。 苛立つ子どものような話し口調や、『ぼく』という一人称、刑事の苛立ちを退屈そうに受け流す床への寝そべりだとか、本をぱらぱらと捲る姿に、幼さを感じる。 会話は、殺人を犯した日のイーヴの行動や育ちをさらうような流れ、それからイーヴが殺した相手、クロードの話へと移る。文学を学んでいたクロードの日記には、この1ヶ月、文学作品の比喩をもって、イーヴのことが綴られていたと、イーヴがクロードを殺した動機を語らせようと、刑事はイーヴに伝えた。しかしそれを聞いてイーヴは、「読みたい!」と嬉しそうに声を上げ、自分の意図が伝わらない刑事はイーヴに更に苛立つ姿が、ちぐはぐで引き込まれた。 また、クロードのガールフレンドの話を語り出した刑事に対してのイーヴの取り乱しぶりが、印象深かった。それまでは対して何にも興味を示さず、行動を語ってもはっきりと覚えていないことが多いのか曖昧な供述も多かったイーヴの、感情を覗かせるシーン。.

この舞台に関しては私はド頭から「イーヴの感情を理解できない人が理解できない」という意識で見ていて、改めてもう一度見てみてもやっぱりそうだった。 だから正直言うと刑事の方が何を言ってるのか解らな過ぎて「???」となってしまうというか。 だって愛する人を殺すのって最大の愛の感情でしかなくて、それが憎しみだとしても、それは愛情の裏返し。 「自分を見てくれなくなったから」「自分を否定したから」「自分の事を好きじゃなくなったから」。そして「そうなる時が怖いから」というのが答えでしかない。. それはなんていうか、キツイ仕事をして帰って来た夫を迎える愛しい奥さんとも違うし、ドラマに出てくる優しいお母さんとも違う。あの人はそういうドラマバカにしてたけどね。だからそのキスはそんなやすっちいもんじゃなかった。 あのひとは男で、少年で、それはとてもシンプルで、それはまるで、いきなり故郷に帰って来たみたいだった。. 暗転が明ければもうそこは、カナダ・モントリオールの裁判官執務室。36時間、事件解決に向けてなんの答えも出ない会話を続けてきた刑事と『彼』の苛立ちに塗れている。 先ほどまで細やかな騒めきを纏った赤レンガ倉庫のホールにいたわたしはその苛立ちの空気の中に突然放りこまれた。 あらすじは確認してきているが、こんな風に初っ端から放りこまれるとは思わず、動揺しながら彼と刑事の会話に耳を傾ける。 とにかく長く複雑かつ、取り調べのため執拗に同じことを繰り返される会話は、1度の観劇では全て捉えきれないし理解が出来ない。でもたぶんそれで良い。.

『 Being at home with Claude ~クロードと一緒に~ 』(初演)

クロードはそれらが「愛」に向いている。 自分がとてつもなく「彼」を愛していると気が付いた、そして「彼」が自分の事をまるでまったく同じように愛している。 そしてその事実に気が付いた瞬間、「もっと先の幸せ」ではなく「この幸せが無くなる恐怖」が見える。. 暗転が明ければもうそこは、カナダ・モントリオールの裁判官執務室。36時間、事件解決に向けてなんの答えも出ない会話を続けてきた刑事と『彼』の苛立ちに塗れている。 先ほどまで細やかな騒めきを纏った赤レンガ倉庫のホールにいたわたしはその苛立ちの空気の中に突然放りこまれた。 あらすじは確認してきているが、こんな風に初っ端から放りこまれるとは思わず、動揺しながら彼と刑事の会話に耳を傾ける。 とにかく長く複雑かつ、取り調べのため執拗に同じことを繰り返される会話は、1度の観劇では全て捉えきれないし理解が出来ない。でもたぶんそれで良い。. 相馬イーヴはものすごく熱量があったので打撃で攻撃うけてる感がすごくよかった。 ただ私の趣味としては稲葉イーヴの毎日少しずつ毒を盛られてる感じのほうがじわじわくるかもしれない。 稲葉イーヴが「おひさま」っていうのがすごく儚くて、きっと「あの人」は稲葉イーヴにとっておひさまみたいだったんだろうなと。.

クロードと一緒に ネタバレあり感想 1.

CyanBlancCyan. Caribbean Groove. 36 1.

See, that’s what the app is perfect for.

この舞台に関しては私はド頭から「イーヴの感情を理解できない人が理解できない」という意識で見ていて、改めてもう一度見てみてもやっぱりそうだった。 だから正直言うと刑事の方が何を言ってるのか解らな過ぎて「???」となってしまうというか。 だって愛する人を殺すのって最大の愛の感情でしかなくて、それが憎しみだとしても、それは愛情の裏返し。 「自分を見てくれなくなったから」「自分を否定したから」「自分の事を好きじゃなくなったから」。そして「そうなる時が怖いから」というのが答えでしかない。. 被害者を殺し、警察へと遺体の場所を連絡し、そしてここに立てこもった『彼』の足取りと行動を尋ねる刑事に、もう何べんも言った! と声を荒げながら何度目かの説明をする『彼』。 そこから長い長い会話劇で、硬く閉じた花弁を時間をかけてめくるように、物語は進んでいく。 『彼』こと殺人を犯した男娼イーヴは、その動機について刑事から執務室で執拗に探られている。 イーヴは、育った環境、生活環境から、あまり学はないようで、でも頭の回転や知能は高い人物のようだった。 苛立つ子どものような話し口調や、『ぼく』という一人称、刑事の苛立ちを退屈そうに受け流す床への寝そべりだとか、本をぱらぱらと捲る姿に、幼さを感じる。 会話は、殺人を犯した日のイーヴの行動や育ちをさらうような流れ、それからイーヴが殺した相手、クロードの話へと移る。文学を学んでいたクロードの日記には、この1ヶ月、文学作品の比喩をもって、イーヴのことが綴られていたと、イーヴがクロードを殺した動機を語らせようと、刑事はイーヴに伝えた。しかしそれを聞いてイーヴは、「読みたい!」と嬉しそうに声を上げ、自分の意図が伝わらない刑事はイーヴに更に苛立つ姿が、ちぐはぐで引き込まれた。 また、クロードのガールフレンドの話を語り出した刑事に対してのイーヴの取り乱しぶりが、印象深かった。それまでは対して何にも興味を示さず、行動を語ってもはっきりと覚えていないことが多いのか曖昧な供述も多かったイーヴの、感情を覗かせるシーン。.

ダブルキャスト について 稲葉イーヴが静ならば、相馬イーヴは動。 稲葉イーヴは真っ暗闇の中に一筋の光を見つけている感じ、相馬イーヴは眩しい世界から自分だけが落ち着ける暗闇を見つけた感じ。 びっくりするほど真逆だった。でもだからこそお互いのよさがさらに引き立つ。 相馬イーヴはものすごく熱量があったので打撃で攻撃うけてる感がすごくよかった。 ただ私の趣味としては稲葉イーヴの毎日少しずつ毒を盛られてる感じのほうがじわじわくるかもしれない。 稲葉イーヴが「おひさま」っていうのがすごく儚くて、きっと「あの人」は稲葉イーヴにとっておひさまみたいだったんだろうなと。 私のイメージする世界の中では。稲葉イーヴは弱くて、儚くて、壊れてしまいそうで、綺麗だった。 相馬イーヴは、強くて、逞しくて、壊れてしまっていて、汚かった。その対比が凄い。 「手に入れられないはずのものが手に入ってしまった感」は稲葉イーヴのが断然だった。 ただ逆に「生を確かに実感させる」のは断然相馬イーヴだった。 「生にしがみつく」と「死を否定する」は似て非なるもので、とても積極性のある感情と消極的な感情だと思う。 稲葉イーヴは他人事の様に語り聞かせる、相馬イーヴは自分の事だと信じたくなくて自分に言い聞かせる。 どちらもつらいものがある。だからどちらも観てよかった。.

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コメントとフィードバック:
Ran 01.03.2020 10:40
イーヴがクロードと出会ってから殺し、そこから今に至る足取りを全て改めて話し、「これでぼくの話はおしまい」と唐突に物語は終わる。 見入ってたわたしは、物語の余韻なく赤レンガ倉庫の劇場へと放り出された。作内で昇華することの出来なかった感情は、劇場の雰囲気ある廊下や、赤レンガ倉庫の異国感、横浜のまちの光、やわりと香る潮の匂いと交わり、わたしの胸の中に、衝撃と切なさを残しながら揺蕩っている。.
Machiko 23.02.2020 11:07
ほら勉強して言葉にしてみろよ、単語から熟語まで勉強して言葉にしてみろよ、出来たら帰って良いよ、あんたがやらなきゃいけない事は言葉で皆に理解させる事だろ、物書きで飯食ってる連中の事は忘れろ、アイツらは キチガイ だ。言いたい事があんのか?言えよ。簡単だろ、僕に何があった?. 他の方の感想を見たいけれどまったく見たくなくて、この綺麗な舞台そのものをもう綺麗な思い出として封印してしまいたい、という感情にばかり襲われる。 最早DVDにならない事すらが「そこで終止符を打つ」というとても綺麗な状態なのかもなとも、ふと思う。 聞き返してひっかけになる言葉遊びは特にされてないし、この話はあくまでもイーヴのイーヴによるイーヴの為の主張でしかないから、後々の考察もいらなければ布石を拾う必要もない。 とすると残るべきは劇場で感じた「感情」だけで、DVDという「媒体」として残す必要はハナからないのかなとは思う。.
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